2012年1月31日火曜日

ラバーダム防湿法

これは、当院ではマスクと呼んでいるものです。
治療をする際には、必ずおこなっています。


治療する箇所の歯だけを留め金でとめて、他の場所は覆われてる方法です。
またこの留め金が、舌や唇をガードしてくれる役割もあります。

窮屈だったり痛いから嫌だと言うお子さんもいますが、安全にきちんと確実に治療するには、とても大事な治療方法です。

子供と大人の口の中は、大きさはもちろん構造も違います。
口が小さい分、唾液もたまりやすいし舌もより歯に近い位置にあります。

そのため、歯など削ってる時などに急に動いてはとても危ないのです。

また診療中に不幸にも小さいお子さんが事故にあうケースは、誤飲がほとんどです。
この誤飲をさせないためにもラバーダム法は不可欠なのです。

事故がある度に、私としては大学病院等でしっかり小児の治療の訓練を受けてきた専門医の先生に治療を受けていたらなあとつくづく思います。

診療科名のなかに「小児歯科」の記載がある歯科医院もたくさんあります。

しかしこの標榜があるからといって、すべてが子どもの治療にくわしい歯科医院とはかぎりません。

なぜなら、日本では診療科名を自由に標榜していいことになっているので、専門でなくても看板に掲げることができるからです。
看板に「小児歯科」とあってもその先生が小児歯科の専門でない場合、「子どもの治療も行ってもらえる」くらいに考えておいたほうがいいと思います。

専門医であれば子供の治療にも慣れていますし、ラバーダム法をおこなって治療しています。







2012年1月28日土曜日

朝食を取りましょう。

前回は生活習慣についてお話しましたが、きちんとした生活習慣を身につけるためにも朝食を摂る事は、とても重要です。

きちんと咬むことで唾液も出ますし、それによって消化作用、抗菌作用も働きます。もちろん虫歯予防にもなります。

咬む筋肉は頭蓋骨を支え骨にくっついているので、咬む筋肉を使うことで脳も良く働いてもきます。
また物を食べることによって内臓も働き、血流もよくなり体温も上がってもきます。


私は診療に入る前に、よく患者さんに朝は何を食べてきたかよく質問しています。
それによって、麻酔の効き方や量などに関係してくるためです。


しかしながら、20年前くらべると朝食をとっていないか、とても簡単に済ませている子供さんが多くなってきています。

朝は時間がないし食欲もないと言う理由かもしれませんが、成長期の子供さんには、ぜひ朝食を摂る習慣をつけてもらいたいものです。

そして、なるべくご飯を食べましょう。

時間が無いようなら、ご飯とお味噌汁でもいいです。出来れば、味噌汁の中に沢山の具があるといいと思います。

こうしたことが、健康な体を作る良い生活習慣を身につける第一歩にもつながってくるのです。

2012年1月27日金曜日

子供時代の生活習慣

私の父親は、歯科医師です。

そのため、歯科医の子供が虫歯を作ってはおかしいと、とても厳しく生活習慣はしつけられました。
早寝早起きは当然の事、小学校に入るまで世の中にお菓子類があるのを知らなかった程です。

今では、コンビニなどどこでも色んな物を購入出来る時代なので、そのように育てるのは難しいと思いますが、それでも患者さんのお母さん方でも、甘いおかし類を全くあげてなかったりしている方もいらっしゃいます。

とてもがんばっているのがわかりますし、関心させられる事です。


私がチョコレートを初めて食べたのは、確か小学校3年生ぐらいの時。
友達のうちに遊びに行っておやつで出してもらったのが初めてでした。

箱一杯、銀紙につつまれたチョコレート。
一口たべると、おいしくってやめられなくなってしまう程でした。

そのうえ人からのもらい物だからといくらでも食べていいよと言われ、調子にのり出されたもの全て食べてしまい、とうとう気がついたら鼻血が。。。。。

それ以来、私はチョコレートは苦手です。
やはり、小さい時に食べなれてないとあまり好きになりにくいようです。

また、定期的にフッ素塗布も受けてきました。

その当時は、今のように味の良いものがなく、私にとって苦痛そのものでした。
とくに、生え変わりの時期などは、頻繁に塗布されたので嫌で嫌で逃げ出したい程。

でも、そのおかげで県のよい歯のコンクールで、小学校・中学校と2回最優秀賞を頂くことが出来ました。

これも厳しくしつけられたお陰だと思いますし、わりと風邪など病気もあまりならずに健康に育つ事も出来ました。今でも体は健康で丈夫な方だとおもいます。

本当に子供時代の生活習慣は、とても大切なものです。







2012年1月25日水曜日

小児歯科医として

本当に月日が経つのは早いもので、小児歯科医として20年になります。

今では、小児歯科学会認定の専門医です。
この専門医については、また後日説明したいと思います。

私が小児歯科医になりたいと思ったのは、まず第一に子供が大好きだからと言う事もありますが、
一番は学生時代に小児歯科診療を見学した時、感銘を受けたからです。

歯科大生は5年生になると講義だけでなく、実際に大学病院での診療を見学しながら学んでいきます。

歯科診療は、一般的には歯を削るのが一番のイメージだとは思いますが、実は様々な分野に分かれていて、学生時代はその分野を個々に習得していくのです。

歯を削って詰める分野 歯槽膿漏などの分野 入れ歯などの分野 矯正歯科 歯を抜いたり、口の中の腫瘍など手術したりする口腔外科 レントゲン等の放射線の分野 そして小児歯科などです。

私が小児歯科を初めて見学したとき、診療が終わっても診療室の歯科医師ひとりひとりに話かけて、なかなか帰らない子供さんがいました。

そして、私たち学生を見て「おまえら、新人か。。。 顔見た時ないな。しっかり勉強しろよ」
「ちゃんと見とけよ。」などと悪態ついたり。

診療が終わり、保護者の母親が診療室に入ってきました。

すると担当医は筆談を始めました。
母親が言葉を話す事が出来なかったからです。

その後、私たち学生は教授に呼ばれ、今の診療内容の説明を受けました。

あのお子さんは、ここに来てから5年以上になります。
ですから、医師やスタッフの顔を全員覚えているのです。そしていつも、診療後は医師やスタッフひとりひとりに嫌味や悪態をついてから帰ります。
とてもおしゃべりなお子さんです。

でも、彼が一番話をしたいのは母親です。

彼は長男歳の離れた兄弟もいます。ですから社会生活において、いつも母親の気持ちや言葉を代弁しているので、少し大人びたところもあります。

本当は、母親に自分の気持ちをぶつけたりしたいのに、長男という立場もあり我慢しているところもあるようです。
彼は、多少つらい治療でも絶対に泣きません。母親が心配するのをわかっているからです。

小児歯科の治療は、保護者と患者そして担当医師の関係がどのように築けているかがとても重要ですと最後に教授はおっしゃいました。


他の科とは全く違う診療風景や説明で、またとても子供の気持ちを大事にしている事がわかり衝撃を受けました。
それまでは、いかに短時間で患者さんに負担のかからぬ様うまく診療していくかが大事と考えていたので、大人の治療と全く違うんだなあと感銘を受けたのです。


また、別の日の見学時は、泣いて暴れて大変なお子さんの治療でした。

しかし、なんどか診療していくうちに、泣かなくなり最後の治療の時は、先生だいすきと言って帰って行ったりしてました。
学生の私にとっては、とても不思議な事でした.

その時の教授の私たちへの説明は、患者さんにとってつらい診療だからこそ十分がんばれるよう励ましながら、ほめながら診療し担当医とのまずは信頼関係をつくる事が大事だとお話してくださいました。


こうして、何度か見学するたびに色んな患者さん個々に対応している先生達の姿を見て、私も小児歯科を勉強したいと考えたのです。

そのため大学の勉強や経験だけでは補えないと思い、大学病院の医局に残って専門的に勉強する必要があると考え、約6年医局に残って学び小児歯科学会認定医を取得し専門医にもなりました。

入局して直ぐ、私たち新入医局員が教授に言われた言葉があります
そしてこれは、私の小児歯科医としての原点の言葉です。


子供にとって、初めて出会う医者は大きな病気や怪我などしない限り歯科医師です。
その時のイメージが、医者というもののイメージを作ってしまいます。
ですから、あなた達はとても重大な責任があるのです。
良いイメージを持って終われる様かんばりなさい。心がけなさい。


20年も前の言葉ですが、私にとってとても大事な言葉です。






2012年1月24日火曜日

こんにちは

ホームページもリニューアルされ、Blogを開始することにしました。

この中では、小児歯科専門医として私なりに日々思ったり感じている事を書いて行きたいと思っています。

診療をしていると保護者の方とお話する時間がなかなかとれないので、こうした機会を通してお伝え出来ればいいなあと考えております。

よろしくお願いします。

明日は、私がどうして小児歯科医になったのかをお話します。